フロアコーティングの小さな願い
円のレベルと実体経済が同じであるならば、いろんな理由でドルが上がったり、下がったりするんだろうけれども、スタート時点の今、円のレベルと実体経済の間に大きな、ギャップがある状態だから円がストーンと落っこちるのではないかと思っているのです。
どうして実体経済に比べて円高になってしまったかということですが、一つには日本は変動相場制をとっていると言いながら、実は実質固定相場制だったからでないかと思います。
この固定相場制の弊害って前話しましたよね。
アジア通貨危機、アルゼンチン危機。
すべて通貨危機は固定相場制の壮大なる失敗だと思うという話を。
アルゼンチンの場合には国が外貨建ての借金をした。
今、日本には、630兆円の国の借金があるけれども、円で借金しているから100円になろうと、200円になろうと、630兆円なんです。
もしこれがドル建ての借金で為替が120円から240円になるとこの借金返済には1260兆円必要になってしまう。
一ぺんで財政破綻ですよ。
アルゼンチンはそういう状態だったわけですね。
通貨を安くすれば景気がよくなると分かっていても、外貨建てて借金していたから、通貨を安くすることが出来なかった。
財政破綻してしまいますから。
アジア危機の場合は確かに国は外貨建借金をしていなかったのです。
でも銀行が外貨建ての借金をして、特に短い外貨建ての借金をしていた。
そして長い、例えば土地購入用の資金とかを、アジア通貨建てて貸し出していたわけです。
ドルで借金して、アジア通貨で貸す。
国だろうと、銀行だろうと同じですね。
この状態で、自国通貨が安くなっちゃうと、借金が膨大になってしまう。
したがって自国通貨が安くなると金融システム不安が起こってしまう。
だから通貨を安くするという政策は採れなかった。
徐々に固定相場制から離脱して通貨を安くしていたのならば大丈夫だったんでしょうけど。
日本はこういう状態じゃないんですね。
要するに通貨を安くするデメリットとは二つあるんです。
一つは今まで述べてきたようなデメリット。
2番目はインフレになっちゃうというデメリット。
日本はこの二つのデメリットを心配する必要が今ないのです。
ですから円安がいいとずーっと私は言い続けているんです。
円安になればまた国力が戻って円高になる。
だから国力が強くて円高の状況に一民り得るから一時的に円安にしなさいと言っているのです。
これが私の円安論なのです。
確かに固定相場制というのはこの前も言いましたけれども、外資を導入するために必要です。
相場が固定しないと、誰も資本を投入してくれません、しかしある程度までいっちゃうと、そこから離脱しないといろんな膿がたまっていっちゃう。
アジア危機というのは別にJ氏をはじめとする投機家のせいで起こったわけではないのです。
固定相場制というシステムの弊害、その副作用が起こったということなんです。
J氏を悪者にした方がたしかに面白いですよ、話としては。
でも決してそんなものじゃないということは覚えておいてください。
ということで長期金利は終わりにして、次に金利スワップの話をします。
JPM銀行のW会長が、たしかxx年程前に東京に来てスピーチしたんです。
「5年前(xx年前のスピーチですから今から言うとxx年前ですよね)には存在しなかったピジネスから今、xx%の利益を出しています」と。
そのピジネスというのが金利スワップでした。
そのくらい金融界にとって、重要になっていたのが金利スワップです。
債券先物と金利スワップというのはデリバティブの最たるものなのです。
デリパティプと聞くと、理系の人がやるものだとか、大変に難しいものだと思っちゃうんですよね。
しかし難しいデリパティブを理解することは必要ないんです。
そうではなく基本的なデリバティブをいかに使いこなすかが重要なのです。
金利スワップとは、金融、それもその中の特殊な人間、理系を出た人のみが分かるべきものと考えてはいけません。
銀行員になったら当然のことのように知っていなくちゃいけない商品になりましたね。
また一般企業の経理部、財務部に配属されれば絶対知っていることが必要な商品でもあります。
そしてそれ以外のピジネスマンにとっても知っておくぺき重要な金融商品になったと私は思っています。
そういう意味でこれから一番簡単なスワップをお教えしまずから、充分理解していただければと思います。
ところで先程からデリバティブ、デリパティプと言っていますが、デリパティプとは日本語では派生商品と言います。
定義は「現物価格に依存して価格が決定される商品」のことで、今お話ししているスワップ、先物のほか、フォワード、オプション等が代表的商品です。
きて、私は1974年に大学を出ましたが、1974年に正味現在価値という言葉を知っている人ってほんのごくごく一部だったと思うんです。
私は商学部卒でそのようなことの第一人者でいらしたO先生のゼミにいましたので知っていましたけどね。
金融マンの中でもほとんど誰も知らなかった概念です。
ところが4年後の1978年、アメリカのピジネススクールに派遣されたら、そこでは正味現在価値とはもう基本中の基本だったのですよ。
ネットプレゼントバリューと言って。
ピジネススクールに行くのは金融マンだけじゃないですよ。
それでもビジネススクールにおいては常識中の常識の概念だったのです。
正味現在価値に対する知識とは、それほどまで日米のビジネス社会の間でギャップがあったんですね。
スワップとか、デリバティブの知識のギャップは今でもたぶん同じだと思うんですよ。
アメリカのピジネスマンの知識としては、よほど一般化している。
日本てはまだ一部のピジネスマンの知識だと思うんですけど。
ですからそういうことを心してぜひ金利スワップの基本型を覚えておいてほしいというふうに思います。
重要なポイントをまず最初に申し上げます。
重要なポイントというのはまた金利スワップも契約だけということなんです。
今までやった、為替の先物や債券先物と同じです。
為替の先物というのは契約だけでしたよね。
値段を今日決めちゃうけど、お金が必要なのはすなわち決済は1年後。
先物のドルを買った場合、1年後に初めてドルを買うための円が必要なんです。
決済は1年後なんです。
1年間は約束だけが存在しているんです。
債券先物もそう。
金融先物もそう。
先物ですから。
9月とか、xx月に決済しますけど、それまでは約束だけだから証拠金だけ必要なんです。
土地だって、例えば今年のxx月末に決済をするといえば、xx月末までは手付けだけが必要なのです。
手付けだけの世界なんです。
1億円の土地を買ったって、xx月xx日までは1億円必要ないんです。
約束だけの世界。
これからお話しする金利スワップも契約だけなんです。
元本は必要ない。
元本分のお金がいらないんです。
そこがポイントなんです。
私はM銀行時代、自分がやっている自己ポジション卜レーディングとは、「M銀行のためにM銀行のお金を使って、M銀行のために儲ける仕事をしているんですよ」という説明をしていました。
でも厳密に言うと私が使っていた商品は先物とか、オプションとか、金利スワップだったのでM銀行のお金は必要なかったのです、全然。
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